地域課題対応支援事業

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No.6 2022「みる・よむ・体験する」ねりまフォーラム事業

No.6 2022「みる・よむ・体験する」ねりまフォーラム事業)

実行委員会

「みる・よむ・体験する」ねりまフォーラム実行委員会

中核館

ちひろ美術館・東京

事業目的

事業の目的は、第一に、地域において、参加者が文化芸術に触れ、他者との対話や交流を通して豊かな時間を共有する場をつくると同時に、必要な支援を提供すること。第二に、誰もが体験できるよう、在留の外国語を母語とする家庭、障がい者、高齢者など、学びの機会が届きにくい層へのアクセシビリティを高め、より参画しやすい学びの機会の創出を目指すこと、である。具体的には、当実行委員会の強みであるそれぞれの専門性(芸術、文化、子育て支援、若者支援)と、それぞれが地域に根ざして活動してきた実績、そして互いのネットワークを最大限に活かし、地域に開かれた広場(フォーラム)として誰にとっても居心地のよいインクルーシブな「居場所」をつくり、地域の課題の解消に貢献することを目的とする。

事業概要

ねりまフォーラム実行委員会として二年目となる本年は、文化芸術体験へのアクセシビリティを高めることを柱にかかげ、事業に取り組んできた。
あかちゃん、子どものための鑑賞会やワークショップでは、通訳を配すなど、日本に住む外国語を母語とする家族にも参加しやすい環境づくりに取り組み、また大人向けの鑑賞会では、全盲の美術鑑賞者をナビゲーターにむかえ、新しい美術鑑賞の体験を実現した。子育て世代にむけて、親子のよりよいコミュニケーションを学ぶ親業講演会を開催、また、図書館や地域の施設を会場に、美術館の所蔵品カードを活用した美術を楽しむワークショップを開催した。連携団体である若者支援NPOと連携して、美術鑑賞の手引きとなるワークシートの作成に取り組んだ。また美術館と図書館が連携し、書籍を通してアートを楽しむためのブックリストの作成や、図書館での絵本の歴史を学ぶ講演会を実施した。
アクセシビリティを高める上での課題を学び、今後の活動に生かしていくため、先進事例調査を行うとともに、障がいを持った方々のニーズを知るため、障がいをもつ当事者の方々へのヒヤリングを行った。
「やさしい日本語」の活用に向け、「やさしい日本語」の基本研修を受けた。

実施項目・実施体系

(1)文化芸術体験へのアクセシビリティを高める事業
①「日本の絵本展」関連講演会の開催
②日本の絵本の歴史をたどるブックリストの作成
③「ちひろのアトリエ展」関連ワークシートの作成
④「ちひろのアトリエ展」関連ブックリストの作成
⑤親業講演会の開催
⑥外国語を母語とする家族を含む、あかちゃん・子どものための鑑賞会  
⑦外国語を母語とする家族を含む子どものためのワークショップ
⑧「ねりまつながるフェスタ」での所蔵品カードワークショップ・絵本体験イベントの開催
⑨図書館での所蔵品カードワークショップ・絵本体験イベントの開催
⑩「やさしい日本語」を鑑賞活動推進に取り入れるための研修・調査
⑪障がい者への鑑賞活動推進のための研修、先進事例の調査
⑫全盲の美術鑑賞者との美術鑑賞ワークショップの開催
⑬聴覚障がい者への鑑賞活動推進のための調査
⑭報告書の作成・発信

実施後の成果・効果等

地域在住の外国人や障がいのある方々、高齢者、子育て世代など、情報が届きにくく、また学びの機会に参加しにくい層のアクセシビリティを高めるためにはどういう方策があるか。取り組み初年度となる今年は、さまざまな層にむけた活動を展開していくとともに、アクセシビリティの先進的な取り組み調査や、当事者へのヒヤリングを行うことで、参加しにくい層にどんなニーズがあるかを知り、どんな方策があるかを探ることに注力して事業を進めてきた。障がいがある層へのヒヤリングでは、当事者の声を直接きくことで、障がいの特性とニーズを知ることができ、今後の方策のヒントを得ることができた。また研修の受講を通して「やさしい日本語」が在留の外国籍の人々に有効であるのみならず、障がい者や高齢者など、あらゆる層にとっての手助けとなる重要なツールであることを学んだ。活動においては、在住の外国人家族にむけ、通訳付きのイベントに初めて取り組み「特に外国の家族のために企画してくれたことに感謝です」という声を聞くことができた。また、美術館、図書館を離れて地域の場でワークショップを開催することで、アートに触れる楽しさを伝え、地域交流を促進するとともに、美術館、図書館へのアクセシビリティを高める一歩ともなった。今年の取り組みを踏み台として、次年度は引き続き調査を続けるととともに、アクセシビリティの向上に特別なニーズがある方々を巻き込んで、インクルーシブな鑑賞の機会を実践する。

事業実績(PDF)

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