地域課題対応支援事業

年度絞り込み

事業区分で絞り込み

No.8 新潟大学がやります。みなとまち新潟の芸と風土 発掘・体験プロジェクト――近世から現代まで

No.8 新潟大学がやります。みなとまち新潟の芸と風土 発掘・体験プロジェクト――近世から現代まで)

実行委員会

みなとまち新潟の芸と風土 発掘・体験プロジェクト実行委員会

中核館

新潟大学旭町学術資料展示館

事業目的

新潟大学旭町学術資料展示館及び隣接する地区の文化施設と連携し、近世から現代まで新潟市域に根付く芸術文化を各施設で提示し、地域の文化的アイデンティティと誇りの形成や、文化財の保存・継承の意識の醸成に寄与する。また、新潟大学が中心となって「地域全体がそのままミュージアム」となることを目指す。

事業概要

新潟大学旭町学術資料展示館を始め、新潟市の旭町・西大畑町地区、古町地区、下町に立地する文化施設、商家、料亭、寺院を会場に、各施設が所蔵する美術品・工芸品等のほか、市民が所持する作品を発掘し、展示公開する。あわせて、新潟大学旭町学術資料展示館では、新潟大学における美術研究の業績も展示する。これらの作品は写真撮影しデジタルアーカイブ化する。その他、文化財の継承と活用に関するシンポジウム、体験講座、コンサート、まち歩きといったイベントを行い、鑑賞者にはミュージアムの枠組みを超えた鑑賞体験をしてもらうことで、地域の文化的財産への意識を育成する。

実施項目・実施体系

1.関連展示及びアーカイブ
(1)地域に残る作品・資料の収集とアーカイブ
 ①作品・資料の収集
 ②デジタルアーカイブ化
(2)作品展示及び関連行事の実施
 ①作品展示
 ②体験講座
 ③コンサート
 ④まち歩き
 ⑤アンケートの実施・分析
2.関連シンポジウムの実施
(1)シンポジウム
3.プロジェクトの情報発信
(1)特設ウェブサイトの作成
(2)記録集の作成

実施後の成果・効果等

作品展示においては、連携館のみならず近隣の料亭や寺社も会場として、それぞれが所蔵する作品のほか市民が所蔵する作品をあわせて展示することにより、普段は公開の機会がないままに地域に残され受け継がれてきた様々な作品を「発掘」し光を当てた。このことにより作品単体だけではなく作品を取り巻く環境をも含めた鑑賞体験を提示することが可能となり、単体のミュージアム展示の枠を超えた「地域全体がそのままミュージアム」を実現することができた。
加えて、本事業においては作品展示以外にもシンポジウム・体験講座・まち歩き・コンサートを実施することで、作品を見て鑑賞するだけにとどまらず、考え、体験し、動き、聴くことにより総合的、総体的な鑑賞体験に引き上げられたものとなっており、鑑賞者にとって地域の文化的アイデンティティ・文化財の保存・継承の意識をより強く意識づけできるものとなった。
鑑賞者に実施したアンケートやインタビュー結果を分析すると、美術館・博物館の展示場を飛び越えた場所における作品展示(街なかの因縁のある建造物での作品展示)は、作品展示の画期的な手法としてかなり好意的に評価されており、本事業で目指した「地域全体がそのままミュージアム」については十分に達成されたと言える。
アンケート結果では事業において実施した企画すべてにおいて満足・やや満足と答えた割合が7割以上に上っており、企画についてはおおむね成功したととらえている。加えて感想やインタビューにおいては新潟と芸術作品、(日本の)日常生活と芸術作品のかかわりについて改めて気づきを与えられたという内容のものが多く、本事業が鑑賞者に対して地域新潟の文化的アイデンティティおよび地域の文化財の保存、継承といった意識を想起させる貴重な機会であったことが窺い知れるものとなっており、本事業の実施により大きな効果をもたらすことができたと考えている。
事業で光の当たった作品については所有者の了解を得て写真撮影しアーカイブとした。連携館とは撮影画像データを共有し、今後の研究・教育での連携へとつながる第一歩となった。

事業実績(PDF)

<戻る