地域課題対応支援事業
年度絞り込み
事業区分で絞り込み
No.23 地域資源を活用した体感型人材育成事業
実行委員会
OPAM地域連携創造事業実行委員会
中核館
大分県立美術館
事業目的
社会のグローバル化が急速に進展する中、語学や理数系科目に加え、アートにより感性や創造力を育成するSTEAM教育が注目されている。芸術文化による過疎化・少子高齢化などの社会的課題解決の糸口となるよう、県の教育委員会やこども未来課と連携して「大分の自然・文化・歴史を美術の視点で視るアウトリーチ事業」を実施することで、こども達の郷土を大切にする心を醸成し、地域の魅力を再発見することでその素晴らしさを後世に伝えられる創造的人材を育成する。
事業概要
大分県教育委員会および大分県こども未来課と連携した往還型ワークショップ事業 県内の園児、小・中・高校生、そして教員を対象に、学校教育や地域の文化施設等と連携したアウトリーチ活動を実施する。また通常のアウトリーチに加えて、学校と美術館を往還するワークショップも行うことで、美術館への関心を深める。その際、学校や美術館を「劇場化」(照明・衣装・脚本も準備した観客参加型の舞台を制作)することで、子どもたちの美術に対する興味をより強く引き出していく。本事業は「体感と鑑賞」をコンセプトに、STEAM教育の視点を取り入れながら実施する。
実施項目・実施体系
教育委員会およびこども未来課とのネットワーク事業
(1) 学校・施設往還型ワークショップ&レクチャー(アーティスト招聘による)
(2) 学校・施設往還型ワークショップ(美術館による)
(3) 学校・施設へアウトリーチ(アーティスト招聘による)
(4) 学校・施設へアウトリーチ(美術館による)
(5) 教員研修ワークショップ(美術館による)
(6) 学校・美術館の劇場化
実施後の成果・効果等
教育委員会およびこども未来課とのネットワーク事業の活動実績は、115園・校に対して計90回、参加人数は延べ計1,696名であった。それぞれの事業の実績は下記のとおり。
(1) 学校・施設往還型ワークショップ&レクチャー(アーティスト招聘による)
実施回数:1回
参加人数:14名
(2) 学校・施設往還型ワークショップ(美術館による)
実施回数:23回
参加人数:420名
(3) 学校・施設へアウトリーチ(アーティスト招聘による)
実施回数:1回
参加人数:72名
(4) 学校・施設へアウトリーチ(美術館による)
実施回数:43回
参加人数:949名
(5) 教員研修ワークショップ(美術館による)
実施回数:19回
参加人数:173名
(6) 学校・美術館の劇場化
実施回数:3回
参加人数:68名
実施した各事業のアンケートの結果、プログラムの内容と教師の満足度に関しての設問に対し、多くが肯定的な意見だった。今後もアウトリーチの必要性を感じると同時に、各園・校の希望を考慮したプログラム検討の必要性を感じた。多くの子ども達や指導する教員に対して、美術を通した感動体験を提供することができ、創造的な人材育成にもついて、一定の効果が考えられる。今後も多くの子どもたちに「美術」「芸術」との出会いを創出する必要性があり、美術館と学校を結び付けるために、教育普及をさらに活性化させていきたい。
【以下アンケートでの声の一部】
・「風、空気、膨らむ、友だちと息を合わせる等々のどれもが子どもたちの五感を刺激しているように感じた。様々な気付き、友だちと協力する難しさと楽しさを味わえた」(こども園 (2)における体感型ワークショップ)
・「県立美術館が遠く、行ったことがある子どもがほとんどいない中で、実際に作品に触れて学ぶ機会はありがたい。視覚だけではなく、質感や量感なども体験することができた。美術館の美しさや所蔵品などを見て、作品を感じてもらいたいが、遠隔地なのでこうした機会があれば積極的に活用したい」(小学校(4)におけるアウトリーチ持参による作品鑑賞)
・「日頃子どもと一緒に美術館などに行かないので見ることを楽しめたとともに、社会的なマナーの学習もできた」「ほとんどの子どもが楽しんで見ていたが、飽きていた子どももいた」という声があった(こども園 (2)における美術館での鑑賞)
・「教育課程にないので授業で生徒を連れてくるのは難しい」(小学校教員 (2)における美術館での鑑賞)
・「芸術への関心を広める機会となった」「私達、保育者(教員)も活動の参考になる。子ども達の話を聞く様子や、活動へ向かう様子を見ることができる機会はとても貴重で、自分達の日々の振り返りや気付きのきっかけにもなった。また、美術の凄さや楽しさは敷居が高い様な気がしていたが、このような活動に参加して、シンプルに、楽しみ方も様々だなと感じる事が出来、自分達も挑戦したくなります」(保育園教員(6)劇場化)