地域課題対応支援事業

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No.43 琉球伝統文化の継承と在来家畜の保存を目指した「琉球競馬ンマハラシー」事業

No.43 琉球伝統文化の継承と在来家畜の保存を目指した「琉球競馬ンマハラシー」事業)

実行委員会

公益財団法人沖縄こどもの国

中核館

公益財団法人沖縄こどもの国

事業目的

在来家畜はその地域にくらす人々と密接な関係をもち、地域固有に残されてきた品種であり、野生動物の保全とは異なった視点での系統保存と文化継承を含めた保全の価値を有する。このような品種は野生動物と異なり、人との関わりなくしては保存していくことができない「生きた文化資源」である。しかし、人々の生活様式が変化し、家畜が身近な存在ではなくなりつつある現在、在来家畜を保存していくためには、動物園における品種の保存やそれらにまつわる文化の継承に加えて、新たな活用と保存のありかたを創造することが喫緊の課題となっている。その新たな活用法として動物園という種の保存と集客の機能を兼ね備えた場におけるエコツーリズム等、観光的価値の創出が考えられる。「琉球競馬ンマハラシー」は、現代の競馬のような馬の速さや強さを競うだけではなく、走りの美しさや人馬の衣装を含めた優雅さを競うという面で世界に類を見ない、大変貴重な伝統文化である。しかし、一旦途絶えた事業の中で当時の様子を知る人も少なくなっていること、さらに離島など地方によって内容に多様性があるが、その情報にアクセスがしづらいという沖縄地域独特の課題が残る現在、学術的な知見も乏しいことが現状である。本事業は、2013年のイベントとしての復活から10年目となる2023年に沖縄の貴重な伝統文化である「琉球競馬ンマハラシー」の文化的な価値の発掘と、その知見を活かしたアウトリーチを行い、その認知度を高め、地域住民の伝統文化に対する意識の高揚を図ることを目的とする。これらの事業により、沖縄固有の文化を守り、発展させ、新たな観光資源として確立するだけではなく、地域の活性化に寄与し、更には乗り手としてこども達が出場できる機会をつくることで児童及び青少年の健全育成を図り沖縄の伝統文化を継承していく機運の醸造とそのプロトコルの確立を目指す。

事業概要

琉球競馬ンマハラシーに関する文献調査、聞き取り調査:過去の経験者を対象に行うとともに、それらの文化的価値について学術的に検討する。これらで得られた知見は、報告書として出版を行う。 「琉球競馬ンマハラシー」を通じたシンポジウム、普及イベントの開催:オンラインシンポジウムを開催し、有識者や経験者、イベント実施者、地域の在来馬の保存を行っている団体と共に在来家畜の活用、観光資源としてのンマハラシーについて考える場を設ける。また、イベントのメインとなるンマハラシー競技を沖縄県馬術連盟と連携して当園で開催する。競技には、県内の乗馬倶楽部などでウマに親しむこどもから大人までの幅広い年齢層での参加を募集する。このほか、競技以外にも当時の様子を再現し、沖縄の歴史・文化を普及するためのワークショップ、ウマに親しむことができる乗馬体験などの体験プログラムも実施する。

実施項目・実施体系

(1)琉球競馬に関する聞き取り調査

①宮古島における在来馬の聞き取り調査

②伊是名島における琉球競馬の聞き取り調査

③沖縄島における琉球競馬の聞き取り調査

(2)琉球競馬ンマハラシーオンラインシンポジウム開催

(3)琉球競馬ンマハラシー競技大会開催

実施後の成果・効果等

“沖縄こどもの国では2023年1月に3年ぶりにコロナ禍で途絶えていた琉球競馬ンマハラシーを再開することができた。今回の再開は当園だけでは実現は難しく、関係者の協力なしには実現しなかった。大会を通して過去に協力していただいた団体との関係の再構築だけではなく、今回新たに観光的な視点を持つ団体等の関係を新たに構築することができた。イベント全体に対する来園者の評価は高く、今後の開催を望む声も複数あげられていた。また本事業を次世代へ継承していくためにも、子ども達の育成は大きな課題である。今回の大会では騎乗者として子ども達の参加も多かった。競技大会でのパンフレットの配布、琉球競馬ンマハラシー普及のための動画作成などの広報活動を通じて得られた琉球競馬に対する県民の認知度は「この地に競馬があったことすら初めて知りました」といったものが多く、広報の効果は高まったと考えられる。

また新しい取り組みとして第18回琉球競馬ンマハラシー競技大会に先立ち、オンライン上で「琉球競馬ンマハラシーオンラインシンポジウム」を開催した。本園では初めて琉球競馬に関するオンラインシンポジウムを開催し、県内だけではなく、県外から参加してもらうことができ、琉球競馬ンマハラシーについて幅広い地域の方々に知ってもらうことができた。こうした地域を超えて発信できるメディアの活用は、その情報を映像媒体として保存、鑑賞することもできるためオンラインならではの利点を活かすことができた。 今回の聞き取り調査では、伊是名島と宮古島にて各市町村の教育委員会を通じて聞き取り調査を実施し、在来馬に関すること、琉球競馬に関することについて記録した。宮古島では、日本在来馬の1種であり宮古馬に関する現状についての聞き取りをおこなった。また伊是名島では、戦前の琉球競馬について覚えている島民の方も多く、当時の様子を詳細に記録した。くわえて、新聞に掲載された本園での琉球競馬ンマハラシーの開催に関する記事を見た方からご連絡をいただき、沖縄島中部での琉球競馬に関する聞き取り調査もおこなった。本事業については、令和4年度琉球競馬ンマハラシー実施報告書を出版し、主に沖縄県内の博物館・図書館などに配布した。”

事業実績(PDF)

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