地域課題対応支援事業

年度絞り込み

事業区分で絞り込み

No.41 水俣病学習素材の発掘と教育コンテンツ化

No.41 水俣病学習素材の発掘と教育コンテンツ化)

実行委員会

一般財団法人水俣病センター相思社

中核館

一般財団法人水俣病センター相思社

事業目的

博物館の枠を超えた水俣病を伝える教育的取り組みの活性化を目的とする。水俣病を伝える教育コンテンツになりうる素材を見つけ出し、所有する資料やすでに実践している活動の価値の磨きあげを行う。そして、新たな教材やワークショップを開発し、授業や学習など教育現場での活用を促進し、今までより多角的で質の高い水俣病学習を実施可能な状態にする。

事業概要

まず、教育関係者に水俣病学習における課題やニーズのヒアリングを行った。また、水俣を撮影した写真家や、水俣病を伝える活動を実施している関係者、教員らと意見交換を行い、地域内に点在する水俣病学習の素材(写真、館所蔵資料、書籍、アクティビティ等)を整理する。また、資料の保存や権利についての勉強会を行う。ニーズと整理した学習素材を生かし、授業や教育現場で使えるコンテンツ(写真、紙芝居、ワークショップのセット等)を制作し、オンラインでの公開や貸出など、広く利活用できる状態に整えた。

実施項目・実施体系

(1) 水俣病資料・記録写真等の教育的活用にむけた調査・検討
①検討会議の開催
②他地域の公害学習における写真資料活用方法調査(岡山、みずしま財団)
③他館における教育的取り組みの調査(沖縄、戦争・平和学習)
④写真資料の権利に関する勉強会の開催
(2) 水俣病学習教材課題ヒアリング
①熊本県内の教員へのヒアリング(水俣病学習の課題、使用教材について)4名
②県外教員へのヒアリング(同上)福岡7名、東京1名、兵庫2名
(3) 水俣病学習素材の整理作業
①写真、地図、音声資料の整理
②残りづらい語り・記録化されていない音声の資料化
(4) 教育コンテンツ制作
①紙芝居2点 (水俣市立水俣病資料館の語り部の母親(大矢ミツコ)をモデルにした「みつこの詩」、「しらぬいさん」)
②地図を用いたシルクスクリーンセットの制作 海岸部の歴史・農水産物の2セット(合計5版)
③写真を用いたワークショップ冊子の作成
④デジタルコンテンツの整理・公開
(5) 完成した教材を使ったワークショップ・交流会の実施と効果の測定
①水俣市立袋中学校保護者、生徒向けシルクスクリーンワークショップ
②教員を対象にしたシルクスクリーン、フォトランゲージワークショップ
③教育関係者向けのクロストーク・実践交流会

実施後の成果・効果等

本事業で作成した教育コンテンツに関する評価として、3回のワークショップの後にアンケートを実施し、都度改善につながるコメントを収集した。中学生に実施したワークショップでは、参加者32人にアンケートを実施し、「難易度」「楽しさ」「新しい学び」に関する質問を選択式で集め、教材の改善につながる意見を自由記述で集めた。難易度は、おおむね「簡単」とする意見が多かったものの、「とても難しかった」「難しかった」と回答した参加者が数名いたため、導入時の説明をより丁寧に行うための改善を行った。「楽しさ」「新しい学び」に関しては、高い評価を得ることができた。また、シルクスクリーンのワークショップ後の解説資料の内容はアンケートの反応を元に、解説の内容を検討した。

紙芝居、フォトランゲージワークショップ用冊子に関しては、県内小中学校、教育委員会、他館にサンプルとお知らせを送付し、アンケートを実施した。半数以上が「とても活用できる」と回答があり、「活用できない」「あまり活用できない」の回答数はゼロだったことから、教育現場においても十分に活用できるものが作成できたと考える。

事業実績(PDF)

<戻る