地域課題対応支援事業

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No.23 文化資源の新たな魅力発信による文化観光拠点の形成Innovate MUSEUM事業

No.23 文化資源の新たな魅力発信による文化観光拠点の形成Innovate MUSEUM事業)

実行委員会

京都府立丹後郷土資料館

中核館

京都府立丹後郷土資料館

事業目的

郷土資料館が地域の期待に応えるべく、多様な主体と連携・協力し、新たな文化資源の掘り起こしを行う。また、各地域の歴史、風土等を反映した特色ある文化芸術の発展に寄与する取組を進める。そのため、今年度は郷土資料館の所有する文化財やその機能を活用した新たな魅力を発信し、丹後地域の文化観光の拠点施設、地域とともに歩みその活性化に寄与する施設として進化し、地域の魅力を高めるのに不可欠な存在となることを目指す。

事業概要

府指定文化財「旧永島家住宅」は江戸時代に宮津藩の大庄屋を務めた農家の住宅を、郷土資料館に移築復原したもので、現在は、丹後地域の伝統的建造物としての展示や、地域伝統の生活文化(紙漉き)を体験する活動にも使われている。  また、国史跡「丹後国分寺跡」は、当資料館の日本三景の一つである、特別名勝「天橋立」を見おろす絶景の地にあり、古代~中世の寺院跡とされる。重要文化財「丹後国分寺建武再興縁起」(当館寄託)所収の指図や、雪舟が室町時代に描いた国宝「天橋立図」も見ることができる。現在の国分寺跡には、本尊を安置する金堂、五重塔、中門に比定される礎石群が残っている。これらは、基壇と共に丹後国分寺建武再興縁起に描かれたのと同じ配置で露出しており、往時の姿がしのばれる。本事業では、これら文化財を活用した新たな魅力を発信する取組を行った。また、これまで郷土資料館がほとんど扱ってこなかった丹後地域の食文化の調査、掘り起こしを行った。

実施項目・実施体系

●丹後地域の食文化(郷土料理「丹後ばらずし」の調査・魅力発信-検討会開催-
(事業概要)丹後地域の郷土料理「丹後ばらずし」の体系を調査し、その技の価値を明らかにし、地域の魅力を発信する。
(実施項目・体系)
・丹後地域の食文化―ばら寿司の担い手のわざ―調査検討会(アンケート調査・検討会)
・普及啓発冊子の作成 調査成果に基づき、普及啓発冊子を作成(日本語版・英語版)

●丹後地域の食文化(郷土料理「丹後ばらずし」の調査・魅力発信-セミナー「タウンミーティング」の開催-
(事業概要)郷土料理「丹後ばらずし」の調査とこれまでの継承の取組の報告を行い、その魅力と継承の方向性を参加者とともに意見交換。
(実施項目・体系)タウンミーティングの開催

●郷土資料館に所在する文化資源を活用した文化体験・ツアー・文化芸術事業
(事業概要)丹後国分寺跡及び旧永島家住宅の観光活用視点によるユニークベニュー化
(実施項目・体系)地域の文化資源の魅力発信と文化観光の振興
         ➀天橋立等e-Bike周遊モニターツアー
         ②熱気球による空からの天橋立・国分寺跡景観俯瞰体験
         ③文化財を活用した文化芸術イベント(旧永島家住宅での音楽会等開
          催・ライトアップ及び丹後国分寺跡五重塔のAR復元)
         ④アンケートの実施

実施後の成果・効果等

今回の取組は、これまで郷土資料館が深く扱ってこなかった食文化を扱ったこと(丹後ばらずしの担い手の技の魅力)、郷土資料館がもつ文化資産のあらたな活用の可能性を示したこと(古民家を活用したフルートと尺八・箏による音楽会、史跡の新たな風景を観覧できる熱気球体験)、郷土資料館と地域との連携のあらたな可能性を示すことができたこと(ライトアップと小学生の灯籠づくりのコラボレーション・Eバイクによる周辺史跡めぐりツアー)など、郷土資料館が丹後地域の歴史・文化研究の拠点施設として、地域とともに歩み、その活性化に寄与する一歩として有意義であったと考えられる。

熱気球体験では、地域の人が自主的に特産品を販売するなど、郷土資料館の取組を支援する協業の動きもあり、地域の活性化の一助になった。

今回の調査・魅力発信事業では、関係機関や来館者の協力を得て、さまざまなアンケート聞き取り調査を実施した。その結果、1031名(R4年間来場者数約8000人)の方から回答をいただいた。これらの大半は、各取組に対し前向きな回答をいただいており、指標としていた来訪者満足度を満たすもので郷土資料館の新たな価値を示すことができたと考えられる。

・食文化調査ヒアリング      18名 
・食文化アンケート(一般向け) 664名 
・食文化アンケート(家庭向け) 214名 
・食文化アンケート(飲食店)   12名
・タウンミーティングアンケート  27名
・音楽会アンケート        35名
・熱気球アンケート        43名
・ライトアップアンケート     12名
・Eバイクファムツアーアンケート 6名                        計 1031名

事業実績(PDF)

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