地域課題対応支援事業

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No.13 「lab.5 ROUTINE RECORDS」展

No.13 「lab.5 ROUTINE RECORDS」展)

実行委員会

公益財団法人金沢芸術創造財団

中核館

金沢21世紀美術館

事業目的

「ともに生きる」ために
●知的に障害のある人と社会をつなぐ
●美術館の展示体験を通じて、知的障害の認知に前向きな変化を起こす
●聴覚に障害のある人が音の展示に親しむためのアクセシビリティ向上

事業概要

福祉とアートの新しい可能性を試みる気鋭の福祉実験ユニット「ヘラルボニー」による新
しいプロジェクト「ROUTINE RECORDS(ルーティンレコーズ)」を紹介した。
本プロジェクトは、知的に障害のある人が習慣的に繰り返す日常の行動から生まれる音や
言葉を音源にして音楽として届ける試みで、次の3つの要素で構成された。
1.制作…「彼らの日常を音楽へ」というメッセージを掲げ、全国5箇所に住む小学生か
ら成人まで13名の知的に障害のある人へ、ルーティン音を聴取する協力を依頼した。
2.展示…16 種類のルーティン音の展示、聴取風景の映像、DJ ブース、ルーティン音か
ら生まれた楽曲の視聴ブースという4つの要素からなり、鑑賞者が音を介して知的に
障害のある人の存在を認知、理解できる構成となっていた。
3.調査研究…関連プログラムの実施と、アクセシビリティの向上、展示体験の評価

実施項目・実施体系

1.制作:ルーティン音の聴取
① 金沢市内の特別支援学校と福祉施設を見学
② 県外のヘラルボニー提携先(福祉施設)訪問と音の聴取
③ トラックメーカーと金沢市内の特別支援学校と福祉施設訪問、音の聴取
2.展示 ※「事業概要 2.展示」参照
3.調査研究
① 関連プログラムの実施(トーク、オンライン座談会、DJパフォーマンス&体験
サポート、絵本の読み聞かせ、クロージング・トーク&パフォーマンス)
② アクセシビリティの向上(聴覚障害者が音の展示に親しめるよう、音を光や振
動で感知できるデバイスを活用/トーク会場に手話通訳者を配置し、記録動画
に日本語字幕を設置して公開)
③ 展示体験の評価(トークとパフォーマンス参加者へのアンケートの実施/プロ
ジェクトボランティア「lab.リサーチサポーター」による活動/記録集の作成
と美術館ウェブサイト上での公開)

実施後の成果・効果等

●知的に障害のある人の新たなクリエイションが起こす変化
従来の絵画や彫刻といったメディアではなく、知的に障害のある人が「ただそこにあり
のままでいられる日常」において習慣的に繰り返す行動(ルーティン)から生まれる音
や声を聴取し、それを音源として音楽や表現に結びつけることで、鑑賞者へ「ルーティ
ン音がある日常」への新しい着眼点を提示した。
●半年間の展示と活動を通して、出会いと交流の場を創出する
本事業のテーマに共感し、展示や活動を共創する人として「lab.リサーチサポーター」
の名称でボランティアを募集したところ、20代から70代の10名が参集した。「わから
ないから始めよう」を合言葉に何度も展示体験や対話を重ね、特別支援学校や福祉施設
の団体来館対応や、DJブースの体験充実を図るプログラムを地元で活躍するDJと実施
した。

事業実績(PDF)

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