令和6年度 MuseumDX(博物館DX)推進事業
No.3 世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群における出土品金属製品のデジタル台帳および検索・閲覧システムの構築による博物館DXの推進
                実行委員会
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会
中核館
世界遺産ガイダンス施設海の道むなかた館
事業目的
〇「神宿る島」沖ノ島からの出土品のうち、特に劣化が危惧されている金属製品のX線撮影を行うことで修理・修復の優先度を明確にする。
〇本事業で金属製品を管理するデジタル台帳を新設し、関係者及び協力する外部の専門家と共有、協働研究できる体制を構築する。
〇デジタル台帳の取扱いマニュアルを整備し、研修を実施することで遺産群の構成資産が所在する福岡県及び宗像市・福津市・宗像大社の担当学芸員や文化財職員が本遺産群に関連する博物館DXの取組みを推進できる体制をつくる。
〇デジタル台帳を、既存のデジタルアーカイブ「ムナカタアーカイブス」と連携して一般公開することで、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(以下、「本遺産群」という。)及び関連史跡の価値や魅力について広く発信する。
事業概要
〇本遺産群の構成資産や関連史跡から出土した約4,000点の金属製品について、X線透過撮影による分析を行った結果をデジタル台帳として整理し、台帳管理・検索システムを新たに構築した。また、このデジタル台帳を本遺産群や地域の文化資源についてデジタルアーカイブした既存のウェブサイト「むなかたアーカイブ」と連携し、公開する。
〇構成団体の担当職員を含む福岡県及び宗像市・福津市・宗像大社の担当学芸員、文化財職員が、このデジタル台帳を活用して横断的に博物館DXの取組みを推進するため、デジタル台帳取扱い習得のためのマニュアル等を整備し、研修会を行う。
〇デジタル台帳データをジャパンサーチと連携して公開する。
実施項目・実施体系
1 遺産群の構成資産や関連史跡から出土した金属製品のX線透過撮影による分析
2 関係者や専門家と共有するための台帳管理・検索システムを新たに構築
3 本遺産群や地域の文化資源についてデジタルアーカイブした既存のウェブサイト「むなかたアーカイブ」と連携し、一般向けにデジタル台帳を公開
4 デジタル台帳取扱い習得のためのマニュアル等を整備
5 各施設の担当職員を含む福岡県及び宗像市・福津市・宗像大社の担当学芸員、文化財職員向けの研修会の実施
6 デジタル台帳データのジャパンサーチとの連携・公開
実施後の成果・効果等
〇「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(以下、「遺産群」という。)の構成資産や関連史跡における発掘調査から半世紀が経ち、特に劣化が危惧されている金属製品についてX線撮影を行うことにより、出土品の構造・保存状態・過去の修理履歴を明らかにし、資料の検討や、優先度を明確にした修理・修復に取り組めるようになった。
〇本事業で金属製品を管理するデジタル台帳を新設し、関係者及び協力する外部の専門家と共有、協働研究できる体制を構築したことにより、保存管理、調査研究、公開活用を加速度的に進めることができる環境が整った。また、遺産群の構成資産が所在する福岡県及び宗像市・福津市・宗像大社の担当学芸員や文化財職員が本遺産群に関連する博物館DXの取組みを推進するためのデジタル台帳の取扱いマニュアルを整備し、研修を実施することができた。
〇本事業の成果である金属製品X線画像を含むデジタル台帳を、既存のデジタルアーカイブ「ムナカタアーカイブス」上で「金属製品X線画像」データベースとして一般公開したことで、本遺産群及び関連史跡の価値や魅力について広く発信することができた。
事業実績(PDF)