令和6年度 地域課題対応支援事業
No.17 OPAM 感性共創事業
実行委員会
OPAM 地域連携創造事業実行委員会
中核館
大分県立美術館
事業目的
社会のグローバル化が急速に進展する中、語学や理数系科目に加え、アートによる感性や創造力を育成するSTEAM教育が注目されている。過疎化・少子高齢化などの社会的課題解決の糸口となるよう、県教育委員会やこども未来課と連携して「大分の文化・自然・歴史を美術の視点で視るアウトリーチ事業」「美術館を劇場化する/バンブーシアター」を実施することで、子どもたちの郷土を大切にする心を醸成し、地域の魅力を再発見させることでその素晴らしさを後世に伝えられる創造的人材を育成する。併せて児童生徒の指導をする先生のレベルアップを図るとともに、親子に対しては美術館を親しい場所と感じてもらい、活用してもらう機会を増やすことで子育て支援の一役も担う。
事業概要
①ゆくゆく美術館
県教育委員会および県こども未来課と連携した往還型ワークショップ事業により美術館に「行く」ことを、そして将来美術館に行きたくなる思いをつくるためのアウトリーチ活動を、県内の園児、小・中・高校生を対象に、学校教育や地域の文化施設等と連携して実施した。
②先生のためのワークショップ(OPAM独自の教員研修)
小・中・高の先生にとどまらず、地域の子育て支援センター従事者や、将来教員を目指す学生等を対象に、美術館の視点で子どもたちが美術をより楽しく、より学ぶために先生たちは子どもたちをどう教育していくことが良いかをワークショップ形式で伝え、必要に応じてディスカッション等も行うことで、県内の子どもたちの教育に関わる人材のレベルを高め合う美術館独自の研修を実施した。
③美術館を劇場化する/バンブーシアター
美術館内に、地域の主要文化資源である「竹」を用いたインスタレーションを行い、装飾及びステージを制作する。音響や光のライブアクションも行いながらダンサーがステージで踊り、さらにそこに観客も参加して一つの空間を創るという「美術館を劇場化する」イベントを実施した。
実施項目・実施体系
県教育委員会および県こども未来課とのネットワーク事業
①ゆくゆく美術館
(1) 美術館による学校・施設へのアウトリーチ
(2) 美術館による学校・施設往還型ワークショップ
(3) アーティスト招聘による学校・施設へのアウトリーチ
②先生のためのワークショップ
・OPAM 独自の教員研修ワークショップ
③美術館を劇場化する/バンブーシアター
・アーティスト招聘によるインスタレーション制作およびレクチャー&パフォーマンス
実施後の成果・効果等
県教育委員会および県こども未来課とのネットワーク事業の活動実績は、116回、参加人数は2,962名であった。それぞれの事業の実績は以下のとおり。
①ゆくゆく美術館
(1) 美術館による学校・施設へのアウトリーチ
実施回数:73回 参加人数:1,488名
(2) 美術館による学校・施設往還型ワークショップ
実施回数:24回 参加人数:628名
(3) アーティスト招聘による学校・施設へのアウトリーチ
実施回数:4回 参加人数:142名
②先生のためのワークショップ
実施回数:10回 参加人数:637名
③美術館を劇場化する/バンブーシアター
実施回数:5回 参加人数:67名
※①(3)と③はオリエンテーション等を含む
※人数は延べ人数
各事業についての満足度に関してアンケートを実施した結果、多くの肯定的な回答が得られた。ワークショップの内容が充実していることだけではなく、学校・園の要望に対し、柔軟に対応して実施できたことも一因として考えられる。例えば、
・子どもの実態(障がいの度合い・発達段階等)を考慮した上でプログラムを選定、進行方法等を工夫したこと
・同校区の学校・園同士が合同で参加することもあり、交流の場になったこと
・可能な範囲で保護者の参加も認め、親子で美術に親しめるようにしたこと
などが考えられる。