地域課題対応支援事業

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No.15 一緒に育む「日本玩具博物館」~未来へつなごう!ステップ2

No.15 一緒に育む「日本玩具博物館」~未来へつなごう!ステップ2)

実行委員会

日本玩具博物館

中核館

日本玩具博物館

事業目的

1.地域との連携、文化観光資源としての魅力発信、そして、玩具や人形の魅力や文化遺産としての価値を世界中に広めるための新しい手段として、デジタル技術を積極的に活用する。資料のデジタル化をさらに拡充し、利活用を促進するためにデータベースによる一元管理を実現する。
2.社会教育施設として地域社会における子育て支援も含んだ多世代交流の場として、老人会・子供会・ボランティアと相乗効果をあげながら、事業に取り組む。また、学校教育との連携活動を通じて文化財や博物館に対する興味や関心を育み、共有財産としての文化財を将来世代へ継承していくことに取り組む。
3.個人事業から法人化することで、持続的な発展と継続を可能にする体制をつくり、私設博物館がより多くの公衆に開かれた博物館となることを目指す。

事業概要

1.収蔵資料のデジタルアーカイブと一元管理
 データベース導入による資料の分類と将来の利活用にむけた準備
2.学校や地域活動団体における博物館の活用
 小学校に対しては、博物館活用のためのコンテンツメニューを提供し、学校教育における博物館の利用価値を高める。また、地域にとって親しみのある、開かれた博物館であることを周知する活動に参加する。                                      
3.文化観光施設として地域活性化に寄与
 博物館所在地の公共・公益団体と連携し、SNSによる国内外の観光客の誘客や、市内でのミニ展示などを実現する。
4.持続可能な経営・管理運営について法人化の検討と事業計画を図る。

実施項目・実施体系

1.収蔵資料のデジタルアーカイブと一元管理
 ①収蔵品のデジタル撮影
 ②データベース導入準備(レコード整形、資料情報登録、DB登録画像準備)
 ③デジタル資料の一般公開に向けて公式サイトリニューアル
2.学校や地域活動団体における博物館の活用
 ①地域活動団体との連携:博物館開放・親子手作り玩具伝承
 ②小学校との連携:出前授業による郷土凧の解説と凧作り・デジタル資料の活用
 ③ボランティア活動準備検討・有志の意見交換実施
3.文化観光施設として地域活性化に寄与
 ①市内観光案内所でのデジタル資料を活用したミニ展示
 ②市主催イベントでの展示  
 ③SNSを活用した情報発信
 ④デジタル資料を活用した館内における展示解説
4.持続可能な経営・管理運営について法人化の検討
 ①博物館を未来につなぐための会議

実施後の成果・効果等

1.収蔵資料のデジタルアーカイブと一元管理
 昨年度からの事業により、収蔵品・関係資料約2万点のデジタル化が実現した。データベース導入により、約8000点の収蔵品を登録した。実施項目2・3においてもデジタル化した資料を活用することができた。
2.学校や地域活動団体における博物館の活用
 学校や地域との連携活動の後、他学年の校外学習で利用されたり、児童とその家族が個別に来館されたり、博物館を身近に感じていただけるようになった。日本各地に伝えられた造形に対してあたたかなまなざしを向けられる子どもたちが育っていくよう、地域や学校と連携し協働した取組を今後さらに充実させたい。
ボランティア正式募集に先立ち、意見交換するなかで、実際に事業サポートしていただけた。
3.文化観光施設として地域活性化に寄与
 観光案内所でのミニ展示や、市主催イベントをきっかけに、国内外の多くの方が博物館まで足を運んで下さるなど来館者の増加につながった。
4.持続可能な経営・管理運営について法人化の検討
 家族運営の私設博物館を未来に遺すために、一般財団法人の設立を目指していたが、人材・資金調達などの問題で実現が厳しく、一時は暗礁に乗り上げた状況であったが、博物館有識者や経営・財務・法律の専門家に相談し、助言を頂き、公共団体や企業・支援者等にも存続に向けて支援を求めるような活動を開始することとなった。
日本玩具博物館が、数ある私設博物館の中でも、唯一無二の存在として国内外で高い評価を得ているのは、今年85歳になる館長の情熱と他の真似をせず己の信念に愚直に向き合い収集・独自運営してきた結果である。人生をかけて収集したコレクション・寄贈された多くの資料を未来の文化遺産へと高めるために学芸員も尽力してきた。個人事業主である館長が家族と運営する私設博物館が「博物館相当施設」であるのは、運営・学芸・コレクションの均衡がとれていたからだ。2024年、日本玩具博物館は開館50周年を迎える。法人化・人材育成・コレクションの保存など厳しい局面を乗り越え、博物館を未来につなげたい。

事業実績(PDF)

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