地域課題対応支援事業

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No.14 平和教育へのアプローチ―平和資料館および学校との連携による平和学習モデル構築事業―

No.14 平和教育へのアプローチ―平和資料館および学校との連携による平和学習モデル構築事業―)

実行委員会

公益財団法人大阪国際平和センター

中核館

公益財団法人大阪国際平和センター

事業目的

本事業の目的は、平和資料館のアーカイブ資料の活用およびICT教育下で対応可能な平和学習デジタルコンテンツの制作である。前者は豊富なアーカイブデータを活用し外部への発信という平和資料館機能の強化を図った。後者は成果物を学校に提供することで平和教育活動への支援という地域課題解決に向けた役割を果たすことを目的とした。

事業概要

本事業は以下の方法で作業を進めた。府内平和資料館以外で他府県の博物館等へコンテンツの素材提供の協力依頼をした。学校との連携では随時情報共有、対話を重ね、コンテンツ試作版について教員に意見聴取するとともに、複数の小学校の授業で利用してもらい、これらをふまえて機能の拡充、改善に努めた。また教育系デジタルコンテンツ制作実績のある国立民族学博物館の准教授に協力を得て、コンテンツに登載する機能や効果的な利活用の検討を進めた。 コンテンツの内容は、戦時体制から戦後に至る人々のくらしや空襲などについて、画像、動画と解説文で構成され、学校で使用されているタブレット端末から直接アクセス可能な仕組みとした。また、子どもたちが自由に書き込める「マイカード」機能と、それを教員と共有できる仕組みを備えた。

実施項目・実施体系

(1)平和学習コンテンツの企画
 ①先行事例の調査
 ・平和祈念展示資料館、昭和館、しょうけい館(東京都)・長崎県美術館(長崎県)・九州歴史資料館(福岡県)・European Network Remembrance and Solidarity(記憶と連帯の欧州ネットワーク)、ワルシャワ蜂起博物館、クラクフ教育大学等(ポーランド)
 ②平和学習コンテンツの構成検討(第1回検討会議開催)
 ③平和学習コンテンツ内登載の素材の調査(連携館、他府県の博物館等への協力依頼)
(2)平和学習コンテンツの制作
 ①平和学習コンテンツの詳細設計、システム構築(第2回検討会議開催)
 ②平和学習コンテンツの試作の利用(複数の大阪市立小学校にて)
(3)平和学習コンテンツの活用
 ①平和学習コンテンツの活用(第3回検討会議開催)
 ②平和学習コンテンツのガイドブック、チラシの作成、学校へ向けた広報
 ③教員対象の平和学習コンテンツ活用説明会等の開催(大阪府内市町村の校長会等)
 ④平和学習コンテンツの利用開始

実施後の成果・効果等

本事業では平和資料館等のアーカイブ資料を活用し、また小学校との連携によって平和学習コンテンツを作り上げた。本事業遂行における成果・効果については3点挙げられる。1点目は、大阪府内の平和資料館との連携がよりいっそう強化できたことである。随時、意見交換や、情報・地域資料の共有を行い、本事業に取り組むことができた。また、今後も地域資料館の連携を維持し、平和学習の向上という同じビジョンを持ちながら諸事業を継続していきたい。2点目は、各博物館、資料館のアーカイブを活用できたことである。中核館および連携館だけで足りない資料に関して補う形で他の博物館等から資料提供を受け、その資料をデジタル化して学習コンテンツ内に使用することができた。3点目は、小学校の教育に沿った学習コンテンツを構築できたことである。現在のICT教育を念頭に置き、教員、子どもの利用意欲を高められるような学習コンテンツを実現させることができた。また。連携先である大阪市小学校教育研究会社会部を通して、実際に使用する教員との対話を重ねてきた。この対話は、平和学習の幅広い教育機能の活性化につながると確信している。以上のことから、本事業において資料のデジタル化や教育普及といった博物館機能の活用、およびGIGAスクール構想に沿った平和学習教材の充実を備えた平和学習コンテンツを完成させたことが最大の成果である。今後は、学校内での学習コンテンツの利用だけにとどまらず、実物の資料に触れられる平和資料館への来館へ導きたい。

事業実績(PDF)

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