令和6年度 地域課題対応支援事業

No.12 平和教育へのアプローチ―平和資料館と学校との連携による平和学習モデルの発展・活用―

No.12 平和教育へのアプローチ―平和資料館と学校との連携による平和学習モデルの発展・活用―)

実行委員会

公益財団法人大阪国際平和センター

中核館

公益財団法人大阪国際平和センター

事業目的

本事業は、令和5年度同事業による助成を受け制作した平和学習モデルの更なる発展を目指した。具体的には、平和学習コンテンツ内資料の利用制限の打開、コンテンツの機能の拡充、学校での利活用促進の拡大化を目的とした。他の資料館および学校との連携を強化するとともに、学校の平和教育活動への支援という役割を果たすことに取り組んだ。

事業概要

本事業は、平和学習モデルの発展を目指し、①デジタルアーカイブ資料の活用の拡充、②平和学習コンテンツの機能拡充、③学校の利用促進に向けて事業に取り組んだ。米国国立公文書館にて利用制限のかからない著作権フリー資料の収集や、まとめ学習に使用できる平和新聞作成機能をコンテンツ内に新たに追加した。また、戦争体験証言映像の制作を行ったほか、教員向けの説明会を開催し、利用促進に向けた取り組みを実施した。

実施項目・実施体系

(1)平和学習コンテンツへの追加搭載資料の調査、収集
①ジャパンサーチや他館の調査、収集
②米国国立公文書館での資料収集(2024.10.7-10.13 メリーランド州カレッジパーク)

(2)平和学習コンテンツの機能拡充
①第1回検討会議(資料調査の方針決定、コンテンツの拡充機能、利用促進)
②小学校教員との意見交換会(大阪市立小学校にて)
③第2回検討会議(コンテンツの拡充機能検討、利用促進)
④小学校教員との意見交換会(大阪市立小学校にて:2校)
⑤第3回検討会議(システム構築中間報告)
⑥大阪市立小学校での試用(6年生の授業、2クラス)

(3)平和学習コンテンツ利用促進事業
①教員向けの説明会の実施
②平和学習コンテンツのガイドブック、チラシの作成、学校へ向けた広報
③平和学習コンテンツ(機能拡充版)の利用開始

実施後の成果・効果等

本事業では令和5年度で制作した平和学習コンテンツの機能拡充を主軸として事業を進めた。事業遂行における成果・効果については3点挙げられる。1点目は、連携館や米国国立公文書館における著作権フリー資料の入手である。米国については、実際に足を運び、コンテンツの中で写真が不足しているテーマの資料を得て補うことができた。その他、ジャパンサーチを利用し、利用可能な写真をコンテンツに搭載した。2点目は、コンテンツの機能拡充である。主なものは「平和新聞作成機能」の追加である。小学校の教員と対話を重ね、授業で教員も児童も使いやすいような機能を作り上げた。その他、戦争体験証言映像を制作し追加した。3点目は、教員向けの説明会開催、学校へ広報資料の配布など利用促進を図った。
平和学習コンテンツ制作における一番の目標は、多くの学校に利用してもらうことである。すでに令和5度制作版においては、約285件(約135校 ※クラス単位での申込)の利用申込があった。令和6年度版はより充実した機能を装備しており、教員、子どものコンテンツの利用意欲を高められるような効果が期待できる。以上のことから、資料のデジタル化や教育普及といった博物館機能を活用、およびGIGAスクール構想に沿った平和学習教材の充実という役割を担う平和学習コンテンツの発展、また多くの学校における活用が最大の成果である。これには連携館や学校との協力関係があったからこそと言っても過言ではない。さらに、平和学習コンテンツをどういった場面で使えるかなど、今後さまざまな活用方法を提案し、またコンテンツの利用だけにとどまらず、実物の資料に触れられる資料館への来館を促すとともに、子どもたちにコンテンツと実物資料の両方を体験してもらえるように導くことで、博物館としての役割を果たしたい。

事業実績(PDF)

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