令和6年度 地域課題対応支援事業
No.1 ~であう・まなぶ・つながる~「みんなのキンビ」プロジェクト
実行委員会
「みんなのキンビ」プロジェクト実行委員会
中核館
秋田県立近代美術館
事業目的
秋田県立近代美術館を中核に多様な主体との連携・協働により、地域課題に対応しながら、年齢や障害の有無等にかかわらず、アートを通じて多様な人々が出会い、ともに学び合う場を創出し、「障害者の生涯学習」の促進や地域のつながりづくり、地域活力の向上等に寄与する。
事業概要
<しかける> プロジェクトをうごかす組織づくりとネットワークの構築
・当館を中核に、美術、教育、福祉、産業技術など様々な分野と連携・協働し、シンクタンク機能をもつ「みんなのキンビ研究会」の実施
・人とアートのつなぎ手として主体的に活動する「キンビコミュニケータ」への学びと実践の場の提供
<うごかす> 地域との協働アートプロジェクトの実践
・高齢者(認知症当事者含む)や不登校の子ども・若者など社会的に孤立しがちな人を対象としたアート活動の実施
・「共生社会の担い手」を育む、アートを通した「交流及び共同学習」の実施
・アクセシビリティの向上と年齢や障害の有無等にかかわらず多様な人が出会える場の創出を目指し、多様な機関との協働による「鑑賞支援ツール」の改善及び新規ツールの作成及び「鑑賞支援ツール」を活用したワークショップの実施
・プロジェクトの成果を紹介する特別展「みんなのキンビ展」を地域の多様な人、団体と協働開催
<のこす> プロジェクトのアーカイブ化と公開
・記録映像や報告書等によるプロジェクトのアーカイブと公開
<ふりかえる> 評価とフィードバック
・実行委員会における評価とフィードバックを行い、次年度につなげる。
実施項目・実施体系
<しかける>「プロジェクトをうごかす組織づくりとネットワークの構築」
<うごかす>「地域との協働アートプロジェクトの実践」
<のこす>「プロジェクトのアーカイブ化と公開」
<ふりかえる>「評価とフィードバック」
実施後の成果・効果等
【地域が抱える課題への対応】
〇社会的に孤立しがちな人を対象に鑑賞プログラムやアート活動を実践し、高齢者(認知症当事者含む)を対象としたアート鑑賞プログラムを6回、不登校の子ども・若者を対象としたアート活動を8回行った。いずれの活動も「やや満足」を含む満足度は100%であった(当事者及び家族等介護者、引率教員対象)。
〇一般公開した高齢者(認知症当事者含む)を対象としたアート鑑賞プログラムの見学者数は第1回目の13名に対し、第6回目は60名に増加するなど関心を高めた。
【アートを通して人と人をつなぐキンビコミュニケータの実践】
〇高校生から70代までの幅広い年代の26名が参加し、全8回の講座は多世代交流の場となった。
〇「誰もが美術館で楽しむためには」のテーマのもとキンビコミュニケータ自身が4企画を考案し、実践した。県内各地でアートを介したコミュニケーションが育まれるような環境づくりが求められていることが明らかになった。
【美術館に求められる新たな場(ニーズ)の具体化】
〇地域との様々なアートプロジェクトの実践や、参加者等の「ことば」の収録をとおして、美術館に求められる「新たな場(ニーズ)」を明らかにした。
・多様性を肯定する場(「安全な場所」)
・身体全体を使って考える場
・出会いとつながりが生まれる場
【障害者支援からユニバーサルな鑑賞プログラムへ】
〇昨年度作成した「さわってみる絵」の改善に加え、ジオラマやパネル、スタンプなど新たな鑑賞支援ツールを3種類作成した。県視覚障害者福祉協会の協力も得ながらテキストの作成も行うなど視覚障害者のニーズに応じた鑑賞支援プログラムを作成し、ワークショップを4回実施した。今後はメタバースも組み合わせながら、学校教育の教材としての活用などよりユニバーサルな活用の検討を行いたい。
【取組の発展的継続に向けファンドレイジング等の活動原資に関わる方策の検討】
〇日本ファンドレイジング協会主催の個別相談会にて活動原資に関わる方策について助言を受け、財団等の補助金獲得、企業との連携の仕方などについての知識を得た。
企業との連携に向け経済的合理性がある提案とともに、プロジェクトの趣旨に賛同してもらえるようなコミュニケーションを目指したい。