地域課題対応支援事業

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No.42 OPAM 芸術と他分野の融合による新たな人材育成事業

No.42 OPAM 芸術と他分野の融合による新たな人材育成事業)

実行委員会

大分県立美術館

中核館

大分県立美術館

事業目的

本事業の目的は、様々な視点をもった博物館やアーティストとの出会いを美術館が積極的に創出することにより、創造的で文化的要素をもった人材を育成することである。そのためには、知的好奇心を触発し、豊かな心を創造する必要がある。この営みは、地域の魅力の再発見にもつながる。  また、学校教育におけるSTEAM教育等の教科横断的な学習を充実させるために、美術館の新たな機能を充実・拡大・強化させ、大分県の文化・風土・歴史と自然の美しさを体感してもらうとともに、コロナ禍の時代でも、地域の創造性を高めることや文化の向上につなげていきたい。

事業概要

本事業は「美術による人材育成」を目的に、他分野、多分野を融合し、STEAM教育の観点を取り入れた事業を実施する。
1.中高生とアーティストとの出会い
第一線で活躍している美術家などを招聘し、文化の担い手である中・高生を対象に「素材と技術」をテーマに制作活動及び制作物の展示を行う。
2.全国の博物館と連携した歴史&文化とアート&デザインの融合
全国の歴史系博物館の学芸員等を講師に招き、地域にとって身近な素材である「糸・布・衣」をテーマにレクチャー、博物館の資料展示、並びに芸術家によるインスタレーションを行う。
3.美術の視点で見た世界
美術家や有識者等を招聘し、どのようにして制作されているかのレクチャーやワークショップを複数回・連続形式で開催する。
4.地域の自然をテーマにしたスケッチ&ドローイング
自然史系博物館の研究員を講師に招き、大分県内にあるモノ(石などの地域資源)を「見る・観る・視る」講座を開催する。

実施項目・実施体系

1.中高生とアーティストとの出会い
(1)石との出会い
(2)金属とメメント・モリ
(3)光のゆくえ
2.全国の博物館と連携した歴史&文化とアート&デザインの融合
(1)インスタレーション
(2)文化資源学~辻が花をめぐって
(3)仏像の着付け
(4)蓮の糸を織る
(5)大分県の染織文化
3.美術の視点で見た世界
(1)米占いの菌類
(2)祈りの造形
(3)見世物と細工物
(4)風景の抽象化
(5)茶室の空間
4.地域の自然をテーマにしたスケッチ&ドローイング
(1)粘菌のカオ
(2)昆虫のカオ

実施後の成果・効果等

1.中高生とアーティストとの出会い
●OPAM美術部
2022年4/30,5/4,6/16,7/10,7/24,7/31/,8/21,9/11,9/25,10/16,11/6,11/27,12/11
2023年1/4,2/11,2/12
●石との出会い/谷本めい(美術家) 2023年2月26日(日)  参加者:17名
●金属との出会い/髙橋賢悟(美術家) 2023年1月22日(日) 参加者:22名
●光との出会い/市川平(特殊照明家) 2023年2月5日(日) 参加者:29名
●作品展示/2022年12月24日(土)~2023年1月9日(月・祝)
美術クラブは県内各地から21名の中高生が集まり、「素材と技術」をテーマに活動した。一般の参加者も交えて行ったアーティストを招聘したプログラムでは、中高生と高齢者がアーティストとその作品について意見を交わすという光景が見られた。日常では少ないと思われる中高生と高齢者が交流できるこの機会を、次年度以降の人材育成活動に活用していきたい。また年末年始には作品展示を行い、次年度参加を希望するといった中高生の声も聞けた。

2.全国の博物館と連携した歴史&文化とアート&デザインの融合
●What‘s Museum? 糸・布・衣 展示
2023年2月7日(火)~3月5日(日)
●ぬりぬりのぬり絵ワークショップ
2023年2月4日(土)、18日(土) 参加者:42名
●仏像コスプレ 着付けをしてみる
講師:岩井共二(奈良国立博物館) 2023年3月5日(日)  参加者:9名
●大分の仏像 六郷満山を中心に
講師:菅野剛宏(大分県立歴史博物館) 2023年2月23日(木)参加者:29名
●衣文からみる仏像彫刻
講師:岩井共二(奈良国立博物館) 2023年3月4日(土) 参加者:26名
●祇園祭のタペストリー
講師:吉田雅子(京都市立芸術大学)2023年2月19日(日) 参加者:28名
地域にとって身近な素材である「糸・布・衣」をテーマに、日田祇園の見送幕、大分県内の仏像から衣文に注目し、ロール紙プリントによるインスタレーション展示を行った。併せてワークショップ・レクチャーを行った。県内の文化遺産再認識の機会となった。

3.美術の視点で見た世界
●見えると見る~米を占う菌類たち
講師:細矢剛(国立科学博物館)2022年12月17日(土)参加者:18名
●銅鐸・その祈りと造形
講師:井上洋一(奈良国立博物館) 2023年1月14日(土) 参加者:19名
●現代美術が細工見世物、美術展が開帳だったころの話
講師:木下直之(静岡県立美術館)2023年1月28日(土)参加者:27名
●風景とその向こう側
講師:妻木良三(美術家)2022年12月3日(土) 参加者:16名
●茶室とその精神
講師:遠山典男(建築史家)2023年1月21日(土) 参加者:43名
好奇心を触発するため、一つのテーマを様々な分野の視点からとらえる「見立ての世界」と題して、美術家、科学者などのワークショップ形式のレクチャー5講座を開催し、のべ123名が参加した。回を追うごとに参加者数は増え、知的好奇心が触発される姿が見られた。

4.地域の自然をテーマにしたスケッチ&ドローイング
●あるとき、出てきます 変形菌の魅力
講師:矢島由佳(微生物学者) 2022年11月12日(土)参加者:31名
●探して描く、変形菌
講師:矢島由佳(微生物学者) 2022年11月13日(日)参加者:17名
●生物画の魅力~川島逸郎の標本画ワールド
講師:川島逸郎(生物画家)2022年11月3日(木) 参加者:32名
自然史系博物館の研究員を招き、昆虫と変形菌をモチーフに、「見る・観る・視る」講座を開催した。講師のスケジュール調整等の関係で、対象物の自然観察に最適な季節での実施ができなかったこともあり、単発で完結する講座としてではなく次年度も継続して行う方針で実施した。

事業実績(PDF)

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