令和6年度 地域課題対応支援事業
No.2 地域の記憶「共創」アーカイブ事業
実行委員会
山形アーカイブ実行委員会
中核館
山形大学附属博物館
事業目的
刻々と変化し続ける山形市中心市街地の風景と人々の証言、そして地域の博物館が収集してきた資料などをデジタル化して山形市民はもちろん、さまざまな人々と共有することによって、中心市街地の活性化、文化観光の推進、国際交流、次世代教育への活用、文化遺産の防災体制の確立など、地域課題解決の糸口をつくることを目的とする。
事業概要
令和4年度に公開した山形アーカイブにおいて公開・共有する「まちの記憶」を継続的に収集・公開する仕組みをさらに発展させる。まちの記憶の歴史を楽しみながら学べるイベントを実施し、まちの記憶に対する市民の関心を喚起する。山形市民が抱えている課題を気軽に大学や博物館に相談できるようになり、協働して課題解決に取り組めるような関係構築を目指す。本事業の成果の公表に努める。
実施項目・実施体系
1.共に見つける
(1)「ななはく!まちの記憶市」
①まちの記憶を残し隊報告会
②けっぱつちゃんねる
③ななはく!寄席
④まちの記憶を聞く会
⑤ワークショップ
⑥ボローニャ市
2.共につくる
(1)山形アーカイブ構築
①まちの記憶を残し隊資料収集
②山形アーカイブ構築
(2)小学生・中学生・高校生向け教材開発
①歴史教育・生涯学習・観光・まちづくりのための「まちあるきマップ」
②ヴァーチャル山形市郷土館
③山形五堰紙芝居
(3)検討会
3.学びあう
(1)研究会
実施後の成果・効果等
1(1)は実行委員会とまちの記憶を残し隊が協働して企画。9月は「そば・ラーメン」、2月は「ラジオ」をテーマに開催し、いずれも好評を博した。市民の関心をひくテーマの設定と大学生の自主的な取り組みが協力者の輪を広げ、製麺所や放送局、山形大学卒業生の落語家などさまざまな立場の方々が快く協力してくださり、内容を深められたことも大きな成果である。
2(1)はまちの記憶を残し隊が活躍し、閉店が相次いだ中心市街地のラーメン屋などをオーラルヒストリーとVR等で残すことができた。また、山形市内の老舗菓子店の菓子木型やふすま同窓会(旧制山形高等学校・山形大学人文社会科学部・理学部の同窓会)が所蔵する1920~30年代のガラス乾板などは所有者から保存・活用に対する支援の要望を受けて、山形大学附属博物館が中心となって実施した。博物館が地域の課題に貢献できることが証明できた。
2(2)①は山形アーカイブの「現在と過去の重ね合わせ地図」に「山形五堰」と「山形大学の歴史」が比較できる地図を加えた。②のVR山形市郷土館は完成し、郷土館で体験可能とした。③は後藤ひろひと氏と検討し子供向けに体験を取り入れた「山形UMAをつくろう」へと発展させた。
2(3)は実行委員会メンバーの日程調整がうまくいかず、個別の聞き取り調査をした。山形アーカイブとななはく!の認知は広がりつつあり、現在の方針で事業を継続していくことを確認した。3(1)は本事業の成果を学会・研究会等で積極的に発表した。特筆すべきは国立歴史民俗博物館特別展「歴史の未来」(10月8日-12月8日)においてまちの記憶を残し隊が展示(動画とパネル)され、注目を集めたことである。
その他、テレビ報道2件(うち1件はNHK山形、新潟、東北地方で再放送)、テレビ番組制作協力2件、ラジオ番組出演3件、新聞報道2件、新聞寄稿10件あり、山形新聞社との共催事業1件を実施した。本事業は着実に山形市民に浸透しつつある。