令和6年度 地域課題対応支援事業
No.11 「京都文化次世代データセンター(仮称)」の発展と活用促進のためのプロジェクト
実行委員会
京都歴史文化施設クラスター実行委員会
中核館
京都文化博物館
事業目的
本年度事業では、前年度までの成果と反省を踏まえて、中核館を含む参加各館や団体の人材育成を進め、収蔵品等資料のデジタルアーカイブ化をさらに促進することでデータストックをより充実したものへと発展させ、オープン化に向けた方途を益々究めてゆくことを目標に事業を展開した。
事業概要
本年度事業では、人材育成事業として資料デジタル化の専門家を招いた講習会やデジタル化資料の活用の研修会を開催して技術の更なる習得と研鑽に努め、データストック事業として中核館に設置したデータセンター機能を活用して資料の高精細撮影を実施し1033件の資料撮影を行ないその一部を文化遺産オンラインやデータベース機能を用いて公開した。そしてオープン化事業として5回のワークショップと1回のシンポジウムを開催して文化資源活用による地域課題解決を図った。
実施項目・実施体系
1.事業検討会
①内容検討会議
②成果検討会議
2.事業の実践
(1)人材育成事業
①内容検討会議
②講習会・実技研修会
③成果評価会議
(2)データストック事業
①内容検討会議
②データストックに関する先進事例の調査
③地域資料デジタルデータストック
④企業資料デジタルデータストック
⑤成果評価会議
(3)データオープン化事業
①内容検討会議
②地域デジタルデータの展示活動のためのワークショップ
③地域文化財とデジタルデータ活用に関するシンポジウム
④成果評価会議
実施後の成果・効果等
本年度事業の成果・効果として、(1)の人材育成事業では、3Dによる資料のデジタル化の専門家を招いた講習会やAIによる古文書解読技術の専門家との協業によるデジタル化した資料の活用についての研修会を開催して技術の更なる習得と研鑽に努めた。(2)のデータストック事業では、中核館のデータセンター機能を活用して連携を組む各館の資料の高精細撮影を実施し、博物館が収蔵する地域資料や企業がもつ資料1,033件について都合27,100カットの撮影を行なった。特にこれまで世に出ることのなかった日記や文献資料をデジタルデータ化し、その一部を文化遺産オンラインを活用して公開した。また資料の翻刻を進めてそのデータを汎用データベース機能を用いて公開しオープン化を実践した。(3)のデータオープン化事業に関しては5回のワークショップを通じて広く一般の方々にデジタル技術を活用した新しい資料の公開方法を提案し、またデジタル技術の多様な活用に関するシンポジウムを開催して、文化資源の活用による地域課題の解決に向けた方途を探るため研究者や専門家と共にディスカッションを行ない、一般の参加者からも意見のフィードバックを得た。事業全体としては人材の育成と博物館資料のデジタル化の充実、そして事業目的の普及啓発に効果があった。
事業実績(PDF)