令和6年度 地域課題対応支援事業

No.16 阿蘇地域の博物館等施設連携とメタバース活用による体験学習推進事業

No.16 阿蘇地域の博物館等施設連携とメタバース活用による体験学習推進事業)

実行委員会

阿蘇火山博物館

中核館

阿蘇火山博物館

事業目的

上記の課題を踏まえ、令和6年度は次のような目標を立てた。
〇「機能強化委員会」において持続可能な事業として具体的方策を決定する。
〇教科単元とコンテンツとの関係を維持させつつも「与えられた感」にあふれたメタバースから「ワクワク感」に満ちたメタバースへと改良する。
〇教科単元ごとに先生が必要とする素材に容易にアクセスできる環境を構築する。
〇独自の予算で参加できる学校(Ⅰ種)、新たに参加希望校(Ⅱ種)へのアプローチを行う。
〇本事業で構築するメタバース空間をより多くの学校に活用してもらうための情報発信を行う。

事業概要

〇「機能強化委員会」においてより魅力的なメタバース空間の作成、情報発信の方法や教育活動における持続可能な方策を検討し、本事業の拡充を図る。
〇メタバースの新ルーム地図上に各カテゴリを配置し、アバター(自分)を稼働させながら調べ学習を進めるという提供型から自主性型にすることで生徒たちの好奇心と探求心を失わせないシステム作りを行う。
〇先生方の意見を反映させた素材集及び取扱説明書の作成を行うことで、教育現場でメタバースの利活用が向上し学校側が必要とする素材群を充実させることに繋がる。
〇スクールバスを活用した教育活動が可能な学校(ここではⅠ種と呼ぶ)への情報発信を行う。
〇本事業費により熊本県内の小中学校に対して阿蘇の施設を訪れてもらい学習活動を展開する。(ここではⅡ種と呼ぶ)

実施項目・実施体系

1.「博物館等の機能強化委員会」を設置運営し、具体的方策を決定する。(期間中2回)
・博物館等施設の機能強化を図りより有機的に運営した。
・各専門講師の貴重な意見やアドバイスを伺い、事業推進に繋げた。

2.ワクワク「阿蘇総合博物館」メタバース(以下メタバースとする)の作成、検討(期間中3回
・前回のメタバース(以下旧メタバース)には欠けていたワクワク感(探検感)をプラスしたルームに改良した。
・教科単元とコンテンツの紐づけを密にした博学連携を深めたコンテンツとして、4カテゴリ(11サブカテゴリ)へ区分変更し改良した。

3.先生方が活用しやすいような学習コンテンツを構築、アクセスを容易にした。
・各カテゴリの詳細ページ(以下カテゴリ解説集とする)を作成
・各カテゴリを基に現地学習ツアーや振返り等で学習を深められるようなワークシート(小学生レベル)の作成、検討(期間中3回)

4.本事業で構築したメタバースと連携施設の活用を促し、各学校へ周知してもらうための情報発信を行う。(期間中打合せ3回)
・学校が望む現地学習に応えるために、連携施設(たとえば国立阿蘇青少年交流の家)とコラボした教育プログラムの検討を行った。
・環境省主催の「阿蘇草原キッズプロジェクト」の打合せに同行し、メタバースのカテゴリを紹介、単元学習での教材として活用を促した。
・阿蘇郡市校長会の中で、メタバースのカテゴリ情報や資料配布を行う。

5.学習パッケージ(実物資料)とメタバース(ICT)を活用した授業及び「阿蘇学習プログラム」を基に、独自の予算で参加できる学校【Ⅰ種】・新たに参加希望校【Ⅱ種】へのアプローチを行い運用する。
【Ⅰ種】環境省阿蘇草原キッズ学習とのコラボの中で、スクールバスを活用した学習プログラムを実施した。(阿蘇郡市小学校:4校)
【Ⅱ種】メタバースを活用した事前授業と、学習カテゴリに則った「学習プログラム」を作成し阿蘇の各施設にて現地教育活動を実施した。(熊本県内小・中学校:3校)
・モニター校として日本以外の国の方々に周知を促す機会としてインターナショナルスクールを組み込んだ。

実施後の成果・効果等

【メタバース「阿蘇総合博物館」に関して】
〇良い点
・調べ学習を主だって行っている学校に向けてはとても有益であり、調べ学習のプラットホームとして有効であった
〇課題・問題点
・教室内でのメタバース稼働の可否はそれぞれの学校で違っており、ICT専門の先生がおられるところは対応していただけるが、それ以外では対応が難しかった
 →担任の先生との連携に加えて、今後はICT教員との連携を図る必要がある
・各学校においてWi-Fi環境の差が大きかった
 →時間帯によってはメタバース稼働に困難が生じるため、各学校にて時間割の調整が必要
・メタバース内でアバターの現在位置を表示する機能が欲しい(併せて地理感を把握するため)
→次年度に改善を検討

【阿蘇学習プログラムに関して】
〇良い点
・阿蘇郡市の学校への㏚方法として従来行われている、環境省が主催する「草原再生協議会」における草原キッズプロジェクトとコラボを行うことで本事業の内容を学校現場へ周知することが出来た
→将来の自走可能な事業展開を想定しながら、それぞれの学校が予定する予算に合わせて、また学習カリキュラムに則った現地学習に繋げた
・モニター校としては熊本市及び大津町から選択、学習プログラムを実施し次年度以降の教育活動促進に向けて周知することが出来た
・阿蘇周辺(外輪山外側、小国町・南小国町など)学校の利活用に対応出来るようなカテゴリラインナップに変更したことにより、より広範囲の学校の利活用を促すことに繋がった
〇課題・問題点
・総合学習の範疇とすると限られた学年と先生方に捉えられるので、教科単元(理科・社会)としての活用を促し、学習学年をより幅広い学年層へ向けていく必要がある
・この学習プログラムを定着、継続させるためには、教科学習・教育活動の中で利活用できるプログラムであると現場の先生方に認識されることが必須である

【次年度に向けての課題】
・学習の達成点を生徒にさりげなく理解させる仕組みがあるとよい
→「阿蘇総合博物館」11のサブカテゴリの学習到達点を設け、導くシステムの構築
・本事業プログラムを先生方の研究授業と連携することで、利活用の増進をはかる(機能強化委員会での指摘事項)
→プログラム内容を学校の学習カリキュラムの中で常態化へ導くため、さらに博学連携を深めながら行っていく必要がある
・学校教員への周知・PRも必要

事業実績(PDF)

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