令和6年度 地域課題対応支援事業

No.18 デジタルミュージアム「トカラ列島の自然」事業

No.18 デジタルミュージアム「トカラ列島の自然」事業)

実行委員会

鹿児島県立博物館

中核館

鹿児島県立博物館

事業目的

①地域の住民の生活にも配慮しながら、自然の保全・保護に協力し、②博物館の収蔵資料のデジタル化を推進しつつ、③トカラ列島の豊かな自然、特に地史や動植物相の魅力を県民と十島村村民相互に効率的に発信する。

事業概要

博物館の収蔵資料、特に昆虫類、脊椎動物をデジタル画像化し、博物館の展示活動や教育普及活動に活用した。さらに十島村に在住する多世代に向けて自然観察講座、出前授業を実施した。また、交通機関である村営船を活用し、移動博物館を実施することで、住民だけでなく観光客、仕事関係者など村に関わる多様な人々に十島村の自然を紹介した。

実施項目・実施体系

1 トカラ列島の博物館収蔵資料のデジタル化と発信
⑴収蔵資料(昆虫類45個体、脊椎動物5個体)を用いた、3Dモデルデータ構築及び2D画像化作業
⑵発信 3Dモデルデータ:Sketchfab/・2D画像:OpenPhoto
上記の各プラットホームにて一部公開

2 トカラ列島の自然と十島村民、県民を結ぶ教育普及活動
 ⑴トカラ列島の自然に親しむ自然観察講座「虫博士とみるトカラの自然」in宝島
 ⑵トカラ列島と鹿児島の自然をテーマにした村内の義務教育学校での出前授業
 ⑶フェリーとしま2船内移動博物館「島を旅する博物館」 

実施後の成果・効果等

1 博物館資料を活用したトカラ列島の自然を知る機会の提供
フェリー内で移動博物館(期間中、ミュージアムトークを計6回)を実施し、延べ421人が観覧した。船内には、トカラ列島で近年発見された新種や天然記念物など初公開を含む111点の標本、はく製、解説パネル27枚と、新規に作成したデジタルコンテンツなどを展示した。アンケートに、観覧した89%が企画展に非常に満足、満足したと回答した。

2 学校や一般住民に対する、博物館資料や体験プログラムを活用した教育支援の実施
大学の昆虫研究者を招聘し、講座を実施した。また出前授業を2島で各1回実施した。島の多世代に向けたこれらの教育普及活動の参加者は、延べ86人が参加した。

3 今後の方向性・可能性
本事業の成果や効果が一過性で終わらないために、自然史資料のデジタル化を今後も継続的に実施していく。当館のデジタルアーカイブ推進だけでなく、離島等、遠隔地教育に対して、多数の資料を活用した学習支援が可能になる。また、標本や剥製、解説パネルの運搬にかかる経費節減や運搬のための人員数軽減等に努めることで、県内の様々な地域課題に対応できる博物館の展示活動と教育普及活動が期待できる。

事業実績(PDF)

<戻る